慶應義塾大学理工学部の「ふにふに」です。
駿台予備校で学生指導の経験があり、指導した生徒たちは東京大学をはじめとする首都圏の名門大学に合格しました。
この記事では「原点からの化学」について、
「原点からの化学ってどんな参考書?」
「原点からの化学のレベルってどれくらい?」
「原点からの化学は自分に適した参考書かな?」
「原点からの化学はどう使うのが効率的かな?」
「原点からの化学が終わったら次は何をすればいい?」
といった皆さんの知りたいことを全て掲載しているので、ぜひ最後までご一読ください。
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「原点からの化学シリーズ」はどんな参考書?
「原点からの化学シリーズ」は、駿台文庫から出版されている参考書です。
駿台予備学校の化学科、石川正明先生による参考書となっています。
シリーズは「化学の計算」,「化学の理論」,「化学の発想法」,「無機化学」,「有機化学」の5部が発刊されています。
教科書を非常に高いレベルから再構築されたような参考書であり、大学の授業と高校の授業のちょうど間の難しさです。
一見難解である化学の各分野を、授業のような口調で、適宜練習問題を挿し込みながら、軽やかに読み上げることができる本です。
「原点からの化学シリーズ」はどんな人におすすめ?何のための参考書?
上位旧帝大・早慶・医学部志望向けです。
「化学は簡単な計算はできるんだけど、過去問になるとなかなか点数が伸びない」という人に向いているでしょう。
入試問題や模試問題といった実戦問題で点数が取れていない人というのは、本当の意味で化学の諸現象をわかっていない人です。
教科書からだけでは読み取ることができない、化学の本来の考え方を教えてくれる本です。
基本的には、解法というよりかは「どのように考えるべきなのか?」と本質を捉えている本になります。
テクニックを求める人には向いていないテキストであると思いますが、この本をしっかりと理解することができていれば、テクニック自体が不要であると考えます。
「原点からの化学シリーズ」の難易度やレベルは?取り組むための前提レベルは?
「化学の計算」編
化学の計算編は、理論分野を扱っている参考書です。
全国模試で理論分野の偏差値が60以上を取った事がある人向けの難易度になっています。
基本的な計算法はマスターしているが、発展問題だと点数がイマイチとれないときに、解決に導いてくれます。
「化学の理論」編
化学の理論編は、基本的には理論分野のための参考書という扱いを受けています。
しかし、内容自体は、分野問わず化学の基本的な部分をより詳細に記述されています。
ゆえに、化学の偏差値が全国模試で50程度あれば、問題なく読むことができるでしょう。
化学が苦手な人が、本書を読めば、化学の奥深さに心酔し化学が好きになる人も一定数いることでしょう。
「無機化学」編
無機化学編は、無機分野を扱っている参考書です。
本シリーズの中では、比較的平易な参考書と言えます。
基本的には無機分野は暗記中心の分野であるため、本シリーズの中では最もレベルは低く設定されています。
基本的な化学の知識がないときついでしょうから、無機化学を学校や塾で一通り勉強が終わっている人向けといえます。
「有機化学」編
有機化学編は、有機分野を扱っている参考書です。
本シリーズの中では、最難易度を誇る一冊です。
有機化学をより深く知りたい、なかなか覚えることができないという人向けの参考書です。
「覚えることができない人向け」というのは、化学が苦手な人ではなく、暗記量が膨大で手に負えないという人向けです。
化学の基本的な知識を持っていない人には、かなり難しく感じてしまう内容になっています。
全国模試の偏差値60近くを、理論分野で何度もとっている人向けと言えます。
「化学の発想法」編
化学の発想法編は、化学全体の考え方を扱っている本です。
入試や模試で出題される実戦的な問題から、もう一度化学の捉え方を整理するために最適です。
化学のことが好きだ、化学をもっと知りたいという人向けと言えるでしょう。
受験生にとって必要かといえば、そうではなく、大学で化学を専攻したい人向けの入門書といってもよいでしょう。
受験生が読むとすれば、暗記を徹底的に排除したい人が読むべき本です。
「原点からの化学シリーズ」の特徴は?いい点は?悪い点は?
「化学の計算」編
理論分野の要であるモル計算を中心に、理論に忠実な計算法が掲載されています。
気体や固体など、癖のある計算問題が苦手な人にとても向いています。
良い点として、練習問題が適度に掲載されている点が挙げられます。
やはり計算分野としては頭でわかっていても、問題を解かないとなかなか体に身につきません。
悪い点としては、独特の図を用いた解法もあるため、慣れるまでは時間を要する可能性があります。
「化学の理論」編
各理論がどれほど有益であるかについて非常に詳細に記述されています。
良い点として、それぞれの理論分野の知識が整理され、それぞれの有機的なつながりを感じることができることです。
悪い点としては、入試と異なり計算をメインとした理論分野をあまり扱っていないので、読破するまでにはかなりのエネルギーを要する可能性があります。
「無機化学」編
あまり高校や予備校の授業でも詳細に扱われない無機化学について、非常に詳細に記述されています。
世間では軽く扱われる無機分野ですが、実際の入試問題では絶対に落とせない問題になってきます。
良い点としては、理論的に書かれていることで、膨大な暗記量を半分程度に体感することができることです。
悪い点としては、暗記が得意な人にとってはあまり必要性が感じられないでしょう。
どうしても暗記が苦手だと思っている人向けの本です。
「有機化学」編
有機化学を、大学レベルの観点から記述されている一冊です。
この一冊で、大学の基本的なレベルの講義まではしっかりと学ぶことができるでしょう。
良い点としては、有機化学の反応の「単純な暗記」から、「理解に基づく暗記」に移行することができます。
電子がどのような振る舞いするかを理解することで、有機化学の全体像を捉えることができます。
悪い点としては、電子の振る舞いに執着するあまりに、本来の受験問題で点数をとるという目的を見忘れがちになってしまうことです。
非常にハイレベルな学問的に興味深い内容であるがゆえに、問題を解くというよりも、化学の本質を探りすぎ、点数が伸びてこなくなることがあります。
「化学の発想法」編
分野を問わず、「化学というものがどのように積み重なっているか」を記述されている本です。
シリーズの中では、最も化学の本質を捉えている本であり、原点からの化学シリーズらしい一冊といえます。
良い点としては、この一冊がしっかりの自分のものになれば、化学分野において苦手なものはほとんどなくなるといってよいでしょう。
悪い点としては、かなり網羅的な内容なので、非常に重い内容であるように思う方も少なくないでしょう。
大学に入ってから、化学系の専攻に進もうと思っている方にはおすすめできます。
「原点からの化学シリーズ」の評判や口コミはどう?
実際に、本書はどのような評判なのでしょうか。
C02 原点からの化学
冠模試悪かった勢いで買ったけど結構為になった。セミナーみたいに計算の意味が分からないことやってるってことが無い。今でも化学の中で理論化学が一番マシだと思うのはこれのせい? pic.twitter.com/zw60VQPv8H
— κёi (@K271828i) 2019年3月13日
市販の理論分野の本は、多くの場合が計算する方法をあまり掲載していません。
「なぜ、この式が成り立つのか?」という非常に生徒に寄り添った構成となっています。
原点からの化学 化学の理論
駿台文庫。
約80題の例題で理論化学の実戦力を身につける本。本書を用いることで今まで丸暗記で済ませてしまった内容を理論的に理解することができる。ただ、ある程度の理解力と化学の基礎力がないと本書を理解するのは難しい。 pic.twitter.com/ldIbI2KQGi— 京大落ちた男の参考書紹介 (@sankosyomaster) 2017年6月8日
「原点から」は基本的な内容というわけではありません。
本質的な化学の学問的な観点での原点であることに注意してください。
一般的な学生にとってはカロリーオーバーでしょう。
「原点からの化学シリーズ」の効果的な使い方や勉強法は?
一度学校の授業が終わってから使う
最初から読む一冊には本書は向いていません。
暗記でいいので、基本的な式の扱い方を覚えた上で読むようにしてください。
何もわからない状態で読んでみると、化学の難しさばかりが目立つと思います。
しかし、一度理解した上で読むことで、化学の教科書では端折って解説されていたところが全て明快になり、化学の考え方を確固たるものにできます。
最後の総仕上げの一冊として使う
化学の考え方の整理するためにもオススメの一冊です。
特に「化学の発想法」編は実戦的な例題とともに、それぞれの分野の総復習を行う内容になっています。
本書に掲載されている良問を通して、化学の本質をもう一度頭の中で整理してから、入試を迎えてみてください。
大学入学前に読む
将来に化学系の学部に進む人には非常にオススメの一冊です。
とくに「有機化学」編は、分子軌道や電子の振る舞いから、大学の有機化学について解説されています。
指定校推薦や、入試後の春休みなど時間があるときに、鉛筆片手に読んでみることをおすすめします。
一度読んだだけでは、なかなかすぐに理解することは難しいかもしれません。
しかし、何度も鉛筆で書き直しながら読み進めることで、入学までにはかならず正しい化学の視点を得ることができるはずです。
「原点からの化学シリーズ」にはいつから取り組むべき?
各分野が学校の授業で終わり次第取り組むことをおすすめします。
非常に内容的には重めなので、3年の4月あたりから復習の意味も含めて読んでも良いと思います。
過去問題集に取り組もうとする前までには読み終えることを目標として取り組みましょう。
「原点からの化学シリーズ」の参考書の次に取り組むべきことは?
実戦的な演習問題もしくは過去問題の演習が必要です。
本シリーズだけでは演習量の絶対量が足りません。
知識や考え方は本シリーズで身につきますが、それぞれの分野の典型問題や、実際に初見の問題を見た時にどの式を使うべきか判断する訓練が必要です。
そのためにも、「化学重要問題集」(数研出版)や「有機化学演習」(駿台文庫)といった、入試の典型的問題を集めた問題集で訓練してください。
↓化学重要問題集について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
【東大生が書いた】化学重要問題集の使い方・レベル・評価・勉強法
典型問題が解けるようになれば、過去問題研究を行いましょう。
それぞれの志望校の赤本で、それぞれの大学の傾向を掴みましょう。
もし化学でわからないことがあれば、本シリーズをしっかり読み直しましょう。
これほど詳細に書かれている化学の参考書もあまり存在しないので、信頼して勉強を進めていきましょう。