-高校生・大学受験生 コラム

【2022年最新版!大学入試(英語)に日本一詳しい予備校講師が教える最強の勉強法⑤】長文読解の勉強法

2022年6月22日

★この記事の要点
★この記事の要点
1.正確な英文解釈こそ長文読解の前提条件。
2.読めるのに解けないなら、解答プロセスの精度を上げよう。
3.速読は不要、というより不可能。
4.正確な読解のみが解答スピードを上げる。
5.音読は効果的なのでぜひ!

みなさん、はじめまして。英語の講師をしています、三浦淳一といいます。

簡単に自己紹介をしますと、現在は某大手予備校の講師をしつつ、N予備校、学びエイドなどの映像授業にも出ています。
予備校講師歴は約25年。
著書のうち代表作には『全レベル問題集 英語長文』『入門英語長文問題精講』(旺文社)などがあります。
また、大学受験情報誌の記事を多数執筆したり、『全国大学入試問題正解』(旺文社)の解説執筆を20年以上担当したりと、自分で言うのもなんですが、大学入試の英語には最も精通している人々の1人ではないかと思っています!

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StudyFor編集部より
三浦淳一先生のN予備校での授業映像です。
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長文も1文1文の積み重ね

今回は、英語長文の学習法について...ですが、実は、「英文解釈の勉強法」の記事で、すでに大事なところはお話ししています。

長文とはいえ、1文1文の積み重ねにすぎませんから、英文解釈がしっかりできていれば、長文読解も基本的には大丈夫です。

そんなわけで、今回は、英文解釈がしっかりできていることを前提に、さらに長文を読み解く力を伸ばす方法についてお話ししましょう。

なぜ長文が読めない?

多くの受験生が「長文を読めない」という悩みを抱えているようです。

ただ、私が見ている限り、その多くは「長文だから読めない」のではなく、「1文すら読めないから、当然長文も読めない」のです。

「英文解釈の勉強法」でもお話しした通り、1文ごとの理解が不正確だと、長文になればこの不正確さが積み重なって、さっぱり意味がわからなくなってしまいます。

もう1つ考えられる原因としては、語彙力不足でしょう。
2~3行に1個知らない単語があったら、その英文を理解するのは相当困難です。

5~10行に1個ぐらいなら何とかなりますが、読んでいてたびたび知らない単語に出合うようなら、その英文は自分にレベルが合っていないと判断して、もっと易しい英文を読んで練習しましょう。

では、単語もわかるし、1文ごとの理解もできるのに、長文になるとダメという場合は?

考えられる原因としては、文字を追いかけているだけで内容が頭に入っていないという状況が考えられます。

この場合、受動的な読み方から能動的な読み方へシフトすることが必要ですね。

たとえば、Many people think that...と書いてあったらどう思いますか?
「ふーん、多くの人々はそう考えているんだね」ではダメです。
「多くの人々は...と考えている。私もそう思う」なんていう文章はありえないのです。
筆者が世間の多くの人々と同じ考え方なら、わざわざ文章を書く必要はないのですから。

「そうか、筆者の考え方は違うのだろうな。この後、逆接のbutかhoweverが出てきて、自説を展開するはずだぞ」と思うべきですね。

このように、先を予測しながら読むということは、非常に重要です
もちろん、予測は時々外れますが、外れればかえって印象に残るので、内容が頭に入ってくるのです。

文字を追うだけの受動的な読み方を卒業しましょう。
先の展開を予測しながら読み進める、能動的な読み方をするように心がけましょう。

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読めるけど解けない?

「長文を読んで、内容は理解できているのですが、問題を解くと間違えてしまいます。どうすればいいでしょうか」

このような相談も、何度も受けてきました。
そのたびに、私は心の中で「いや、理解できていないから間違えるんだよね」と思うのですが...

ただ、理解しているのに問題を解けないケースも、実際のところ、それなりにあります。
それは、設問と本文との照合が雑なケースです。

ある選択肢の正誤を判断するときに、「そういえば、そんなことが書いてあったような気がするぞ。よし、この選択肢は〇だ」というのではダメなのです。

みなさんがその問題を解説する先生だったら、あるいは過去問集に解説を書く執筆者だったら、そんないい加減な判断はしませんよね。

「第X段落第Y文に~と書いてあるから、この選択肢は〇だ」と正確に根拠を示すはずです。
そのためには、面倒がらずに、本文中で必要な情報が書かれている箇所に戻り、選択肢と照らし合わせることが欠かせません。
まさに、このようなプロセスが求められているわけです。

そういえば、私の経験で、こんなことがありました。

ある生徒が、センター試験(現在の共通テスト)の筆記の得点がどうしても8割前後から伸びない。
この生徒はとても優秀で、国公立の医学部を目指していて、実際、最終的には東京医科歯科大の医学部に現役合格したのです。
そんなに優秀なのに、彼にとっては簡単なはずのセンター試験で高得点が取れない。
間違えた問題も、後から冷静に見直すと、すぐにミスに気付くのです。

私は彼に、既に解いたセンター試験の過去問3年分、「解説を書いてきなさい」と指示し、彼はその通りにしました。

その後、彼の得点が9割を下回ることはなくなったのです。

解説を自分で書くということは、一つ一つ、正確に根拠を示すことになります。
設問と、本文中の該当箇所をしっかり見比べて正誤を判定するというプロセス(私は「照合」と呼んでいます)ができれば、それだけで正解率は上がります。

もちろん、正確に読む力があることが前提ですが。

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速読は必要か?

近年の大学入試問題は、読解問題の英文がますます長くなってきています。
そして、試験時間内に問題を解き終わらない受験生は「もっと速く読まなくては」と悩みます。

「速読」は必要なのでしょうか?

答えはNoです。
いや、もっと言えば、速読なんて不可能です。
この先半年あるいは1年、速読のための練習を積み重ねたとしても、残念ながら今以上のスピードで英文を読めるようにはならないでしょう。

納得がいかないでしょうから、わかりやすい実験をしてみましょう。

日本語で書かれた新聞や雑誌の記事を、内容を十分に理解できる読み方で、1ページあたり何分で読めるか計ってみてください。
次に、同じ量の記事を、その半分の時間で読んでみてください。
内容はちゃんと理解できましたか?
おそらく、理解度は半分どころか、1~2割程度になってしまったのではないでしょうか。

ちなみに、日本語という言語は漢字(=表意文字)と仮名(=表音文字)が混じっていて、漢字だけでもそれなりに意味が取れてしまうため、世界の言語の中でも最も速読しやすい言語であり、しかも、私たちにとっては、非常に読みなれた言語です。
それでも、正確さを保ったまま、速度を上げることは不可能なのです。
まして、表音文字であるアルファベットだけで書かれた英語は、速読に最も適さない言語であると言えます。

もう、お分かりですね。
英語の速読なんて、絶対に無理なのです。

また、速読なんてしなくても、大学入試問題の英語は、ちゃんと試験時間内に読み解くことができるのです。

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どうすれば試験時間内に解き終わるのか?

では、試験時間内に解き終わらないという悩みについては、具体的にどうすればよいのでしょうか。

逆説的ですが、「正確に読むこと」。これにつきます。

なぜ時間が足りなくなるのか。それは、読むのが遅いからではなく、不正確な読み方をしているからです。

内容理解があやふやだと、不安になってもう1回、2回と読み返してしまいます。
さらに、問題を解く段階でも、そのあやふやさを鋭く突くような問われ方をするので、ここでも正解を選ぶのに迷ってしまいます。

もう、わかりましたね。時間が足りなくなる最大の原因は、読みが不正確であることなのです。
そして、読みが不正確になる原因は、
❶語彙力が不足している
❷文構造が把握できない
❸背景知識が欠けている
の3つが考えられます。

多いのは❶と❷、特に❶が圧倒的多数です。
「試験時間内に解き終わらないです」と相談に来る受験生の9割以上は、語彙力が弱いのです。
もう、何をすれば良いか、お分かりですね。

なお、まれに❸が原因というケースがあります。
この場合、同じ内容の文章を日本語で読んでも意味が分からない、というのが特徴的です。
対処法としては、時間が十分にあれば、日本語・英語を問わず、読書をたくさんして欲しいところですが、受験生には無理があるでしょう。

1つのやり方としては、『テーマ別英単語 ACADEMIC』(Z会)や『話題別英単語リンガメタリカ』(Z会)のような単語集で単語を覚えること。
語彙力と背景知識が同時に身につきます。

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正確に読んでも時間が足りなくなる?

語彙力もついたし、1文を正確に読むこともできるようになった。
でも、正確に読んでいたら、やっぱり時間が足りない。
時間無制限なら全問正解できるのに...

実は、これは英語力が伸びる段階で多くの人が経験する状況です。
正しい読み方が身についてくると、一時的にスピードが落ちる時期があります。
もし、このような課題に直面したら、むしろ自信を持ちましょう。

この段階まで達したら、あとは練習あるのみ。
練習量をこなすことで、正確さを保ったまま、徐々にスピードが上がっていきます。

一字一句おろそかにせず、完全に正確に読む技術を身につけ、後はその「正しい読み方」をひたすら反復してマスターする。
英語が速く正確に読めるようになる方法は、これだけです。

多くの受験生は、このような地道な努力を避け、単語だけ覚えてちょっと練習すれば何とかなるだろう、と甘く見ています。
その結果、不正確な読み方しかできるようにならず、入試直前期になって伸び悩みます。
すると、何か特別な方法があるのではないかと思い始め、怪しげなテクニックを謳う参考書や予備校の講座に引き付けられます。
こうして、さらに状況は悪化してしまいます。

この記事を読んでいるみなさんが、正統派の学習をして、確実に志望校に合格することを願ってやみません。

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音読ってやった方がいい?

音読を勧める英語の先生は多いですね。
私もよく勧めます。
といっても、一切音読をしなくても優秀な生徒もいるので、必須とまでは思いませんが。

音読の効果として、英文を左から右に一定の速度で読む習慣がつく、というのが一番大きいですね。
黙読だと、止まったり戻ったりできてしまうけれど、音読では戻れませんから。

ただ、学習する英文教材に音声がついていれば、それを耳で聞くことでも同様またはそれ以上の効果を期待できます。

もっともよいのは、ネイティブスピーカーの音声を聞きながら、それと(ほぼ)同時に音読をすること。

正しい発音、アクセント、イントネーションも身に付きますし、スムーズに英文を理解できるようになります(もちろん、意味を考えずに音読していたらダメですよ。音声と同時に意味も考えながら読むのです)。

正しい音読のポイントを挙げておきましょう。
❶文の構造を意識し、句や節などのまとまりを確認しながら音読する。
❷頭の中で意味をつかみながら読む。そのためには、最初はゆっくり、徐々にスピードを上げて。
❸正しい発音・アクセントで読む。あいまいなものは事前に辞書を引いてチェックしておく。
❹はっきりと大きな声で読む。これにより、耳にフレーズが残ります。
❺回数は臨機応変に。楽に意味が取れる英文は5~10回、読むのに苦労した英文は20回以上、など。

おすすめの参考書・問題集

ここまで読んでくれた皆さんなら、どのような教材を使えばよいのか、すでにおわかりでしょう。

1文1文を正確に読むことの積み重ねで、長い英文も正確に理解するよう導く本を紹介します。

1.『入門英語長文問題精講』(旺文社)

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私の著作です。
まさに、上記のコンセプトにしたがって書いた本です。
重要な文法事項を解説した動画も付いており、とてもお得です。

2.『大学入試 全レベル問題集 英語長文』(旺文社)


1と同じコンセプトですが、こちらは単語テストや音声など、徹底した復習ができます。
全部で6レベルから構成されています。
レベル5・6は背景知識の解説も付いており、知的好奇心を刺激します。

3.『中久喜匠太郎の生授業! 英語長文ベーシック』(KADOKAWA)


やさしめの長文を使いながら、文法的に正確に英文を読むことを丁寧に解説した本。
構造分析も見やすいです。

4.『登木健司 難関大英語長文講義の実況中継』(語学春秋社)


英文解釈は万全になったので、長文を読むときの思考法を身につけたい、というハイレベルな受験生におすすめです。

5.『イチから鍛える英語長文300』 (学研)


300⇒500⇒700と語数別になっているので、長文に抵抗感があり、徐々に長い英文を読めるようにしたい人に向いています。
解説も詳しく、見やすいです。

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