1.英作文には「和文英訳」と「自由英作文」の2種類がある。
2.「和文英訳」には「誘導型」と「翻訳型」の2種類がある。
3.語彙力と、例文暗記による表現のストックが前提条件。
4.自由英作文は「論理構成」「内容」「文法」が3つの柱。
5.添削は必ずしも効果的ではない。
みなさん、はじめまして。英語の講師をしています、三浦淳一といいます。
簡単に自己紹介をしますと、現在は某大手予備校の講師をしつつ、N予備校、学びエイドなどの映像授業にも出ています。
予備校講師歴は約25年。
著書のうち代表作には『全レベル問題集 英語長文』『入門英語長文問題精講』(旺文社)などがあります。
また、大学受験情報誌の記事を多数執筆したり、『全国大学入試問題正解』(旺文社)の解説執筆を20年以上担当したりと、自分で言うのもなんですが、大学入試の英語には最も精通している人々の1人ではないかと思っています!
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英作文の重要性
今回は英作文の勉強について。
英作文が得意だ、という受験生は、ほとんど会ったことがありません。
英作文は受験英語の中でもっともハードルの高い分野と言えるでしょう。
語彙力、文法力のみならず、プラスαの能力が要求されます。
だからこそ、他の受験生に差をつけることもできますので、難関大学を目指すみなさんには、ぜひ頑張って取り組んでほしいと思います。
2種類の「英作文」
現在、入試問題で英作文が出題される場合、以下の2つの形式が中心となります。
1.和文英訳
従来の出題形式。与えられた日本語を英語に訳すという問題。
2.自由英作文
特定のテーマ、課題文や資料が与えられ、それについて自分の意見を英語で書くという問題。
近年の傾向としては、1が減少し、2が増加しています。
また、今まで英作文を出題していなかった大学が、自由英作文を出題し始めることもあります。
なお、英検などの語学検定試験も自由英作文を出題します。
英作文の基礎力
和文英訳、自由英作文に共通する基礎力について。
まず、当然ですが語彙力が必要です。
単語を覚えるときに、「英語→日本語」だけでなく、「日本語→英語」の変換もできるようにしておく必要があります。
ただ、単語集を覚える際に最初からこれをやっていると、なかなか先に進めなくなってしまいますので、2~3周してある程度覚えてからがよいでしょう。
次に、表現パターンを数多く身につけること。
単語や熟語をどんなに覚えても、「~する人が増えている」とか「~年ぶりに会いました」といった日本語を英語にすることはできませんね。
このような、英作文でよく用いる表現のストックを頭の中に作っておく必要があります。
これらが完成したら、あとは和文英訳なり、自由英作文なり、自分の志望校の出題形式に合わせた練習をしていくことになります。
和文英訳にも2パターン
大学入試の英作文には「和文英訳」と「自由英作文」の2パターンがあることはおわかりいただけたと思いますが、実は「和文英訳」もさらに2種類に分けられます(これは私が勝手に分類しているだけですので、一般的な分類ではありません)。
1つは「誘導型」、もう1つは「翻訳型」です。
「誘導型」は、出題者の頭の中に「書かせたい英文」があり、その英文を書くように誘導するような日本語になっているものです。
例 過去について知れば知るほど、過去から学ぶことの大切さを教えられます。(青山学院大)
この問題は、明らかに【The 比較級~,the 比較級...】のパターンを書かせようとしています。
これに対し、「翻訳型」は、もともとある日本語の文献から切り取ったものであり、英語に訳すことを想定していないものです。
例 猿は木から落ちても猿だが、議員が選挙で落ちれば、ただの人なのだ。(防衛医科大)
英語でどうやってニュアンスを伝えるのか、悩んでしまうような日本語ですよね。
当然、「誘導型」よりも「翻訳型」の方が、難易度は高くなります。
また、「誘導型」は解答のバリエーションが少ないので、受験者数の多い私立大学で、他方「翻訳型」は国公立大学で多く見られる傾向があります。
「誘導型」は、まじめに受験勉強をしていれば、誘導に気づきますが、文法や熟語をちゃんと勉強していないと誘導に気づかず、点数を落としてしまうことになります。
「翻訳型」は、いわゆる“和文和訳”の能力が求められます。
つまり、与えられた日本語はストレートに英語に訳しにくいので、「英訳しやすい日本語」に変換する必要があるのです。
例 最適の人間を最適のときに活用するという考え方は、裏を返すと使い捨て思想につながる。(東北大)
「裏を返す」といっても、本当に「表と裏を逆にする」(英語で言えばturn ~ inside outなど)ではありませんよね。
そこで、「反対の側面から見ると」と解釈してseen from the other sideとするとか、もっとシンプルに「反対に」と解釈してconverselyなどとしてもよいでしょう。
「使い捨て」といっても、もちろん「使い捨てタオル」「使い捨てコンタクトレンズ」みたいな意味ではないのですから、disposableなどとしてもダメですね。
「排除する」と解釈してget rid of~で表現するのが適切でしょう。
この例からもおわかりのように、ここでの変換がおかしいと、できあがる英文も、問題の日本語とかけ離れてしまいますので、得点を期待できないことになります。
結局、英語の力だけでなく、日本語を正しく読み取る力も要求されているわけです。
自由英作文は自由じゃない?
自由英作文というと、自由に書けばいいのだから、簡単だと思われがちです。
しかし、それでは入試という場で、採点を行って段階的な評価をすることができません。
“自由”英作文とはいえ、一定のルールに従って書かなければ、高得点は狙えません。
私は、生徒の英作文を見るときに、以下の3つの観点から評価しています。
❶論理構成:接続語などを効果的に用いて、明快な構成で書かれているか
全ての英文の関係が明確になっている必要があります。
「この文は、前の文の言い換えなのか、理由なのか、よくわからないぞ」と採点者に思われてしまったらアウト。
However / On the other hand / This is because / For example / In other wordsなどの語句を、多すぎるのではないかと思うほど積極的に使って書きましょう。
❷内容:説得力があるか、わかりやすいか、問われたことに答えているか
倫理的・人間的に立派なことを書いてある必要はありません。
あくまでも英語の試験であって、人物評価をしているわけではないので。
採点者が答案を読んだときに、内容がすーっと入ってくるような、明快な答案。
しかもその内容が読む側を納得させるようなものである必要があります。
❸文法・語法:文法的なミスがないか、スペルミスはないか
英語の試験である以上、当然ですね。
せっかく内容がしっかりしていても、文法やスペリングのミスが多いと、採点者の印象が悪くなってしまいます。
以上は採点する側の観点ですが、皆さんが自分の答案を見直すときにも、このような観点からチェックしましょう。
意見がなければ意見は書けない
自由英作文で意見を書く場合、どんなに英語力があっても、表現すべき意見がないのではどうにもなりません。
様々な社会問題、特に自分が受験する大学・学部で学ぶことになる分野に関わる問題については、日頃から積極的に情報収集して自分なりの考えを持つようにしておきましょう。
英語で書く練習をするのが理想的ですが、時間がなければ、せめて自分の意見を頭の中で整理しておきましょう。
インターネットで特定のテーマに関係するキーワードを検索すると、そのまま答案に使えそうな具体例やデータが得られるので効果的です。
添削って必要?
英作文といえば添削!と考えがちです。
たしかに、自分が書いた英文を誰かにチェックしてもらうのは、いい勉強になりそうです。
ただ、私の経験上、添削をして伸びる人とそうでない人がいます。
さらに言えば、添削が逆効果になることさえあります。
いちばんダメなパターンとしては、まったく文法的になっていない、語句の使い方も間違えた英文を持ってきて「添削してください」という人。
めちゃくちゃな英文を、何とか添削してギリギリセーフの英文に直したところで、その添削後の英文もかなりぎこちない英文ですから、それを今後に生かせるわけではないのです。
それなら、模範解答を理解して覚えた方がはるかに効果的です。
「僕はこのように書いたのですが、これで正しいですか?」という質問も、気持ちはわかりますが、やめた方がいいですね。
そもそも、正しいかどうか確信がない表現など、英作文で使わなければよいのです。
「正しいと確信できる表現がありません」という場合、前述の「表現のストック」ができていないので、英作文の問題練習をする段階に達していません。
結局、添削をして効果があるのは、9割方正しい英文を書いている人に、本人が気づかないちょっとしたミスを指摘してあげるような場合に限られます。
そこまでのレベルに達していたら、身近な先生やネイティブの方に、自分の書いた英文をチェックしてもらうのもよいと思います。
英作文上達のための単語学習
語彙には2種類あります。
「読んで[聞いて]意味が分かる」ものを受動語彙、「自分で書ける[言える]」ものを能動語彙といいます。
単語集で学習する際に、<英語⇒日本語>で覚えている人は、受動語彙を増やしていることになります。
もちろん、受動語彙の方が圧倒的に多いのですが、英作文で役立つのは能動語彙なので、能動語彙の比率を高めていかなくてはなりません。
そのためには、単語学習の際に、<日本語⇒英語>で変換する練習をすることと、英作文で思い浮かばずに書けなかった単語を確実に覚えていくことが必要です。
おすすめの参考書
市販の英作文の参考書は、とても質が高いのだが、解答例の英文が洗練されすぎていて、「受験生には真似できないなあ」と思うようなものが多いです。
解答例を見て、自分が書いたものとかけ離れていても、あまり気にしないようにしましょう。
1.『英作文基本300選』(駿台文庫)
表現のストックを増やすのに最適な例文集。
ただ「暗記しなさい」という例文集が多い中、文法的な解説もしっかりしていて、理解して覚えることができます。
さらに、前述の「和文和訳」のトレーニングもできるという、素晴らしい本。
2.『英語表現力養成新・英作文ノート』(日栄社)
薄くて安いけれど、中身は充実。
これも表現のストックを増やせるし、問題練習としても必要十分。
3.『大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編』(桐原書店)
例文暗記、問題練習を1冊で済ませたいならこちらの本。文法の解説が詳しいのもおすすめポイント。
同じシリーズの自由英作文編もよいです。
4.『英作文講義の実況中継』(語学春秋社)
3と同じ著者の本。講義録スタイルなので読みやすくわかりやすい。また、和文英訳と自由英作文が1冊にまとまっています。ただ、解答例はできすぎなので、参考程度に。
5.『安武内ひろしのこれだけっ!自由英作文 大原則編』(水王社)
非常にわかりやすく、短期間で学習できる本。
答案作成のプロセスが明確になります。
最後に、宣伝っぽくなってしまいますが、私がN予備校で行っている英作文の授業について。
文法項目別に英作文を学ぶカリキュラムで、教材は「例文暗記→語句整序→和文英訳→入試問題」の構成。
授業では、これに加え、毎回自由英作文の課題を出し、講評を行います。
ネットの授業で、しかも生放送で英作文を扱っているのは、私の知る限りN予備校だけなので、ぜひチェックしてみてください。
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