1.まず、大学受験英語の概要を知ろう。2.学校の定期試験対策の勉強と何が違うのか、理解しよう。3.年間の学習計画をイメージしよう。4.志望校の過去問こそ、受験勉強の道しるべだ。
みなさん、はじめまして。英語の講師をしています、三浦淳一といいます。
簡単に自己紹介をしますと、現在はN予備校・学びエイド・医学部受験専門予備校YMSなどにて講師を務めており、予備校講師歴は約20年。著書のうち代表作には『全レベル問題集 英語長文』『入門英語長文問題精講』(旺文社)などがあります。
StudyFor編集部より
三浦淳一先生のN予備校での授業映像です。
この記事では、今まで学校の定期試験対策の学習しかしてこなかった高校生が、大学受験を意識して学習を始める上でのアドバイスをしたいと思います。
英語の各分野についての詳細は後から扱いますので、まずは一般的な話から始めましょう。
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大学受験の英語とは?
大学受験の英語を考えるときに、まず受験のシステムについて知っておく必要があります。
これまでは「センター試験」という全国規模の統一テストがあり、国公立大学を目指す受験生はこれを受験することが必須でした。
国公立大学を受験する場合、「センター試験」の後に各大学ごとの「二次試験」があり、これらの得点が合計されて(配分は大学ごとに異なる)合否が判定されます。
私立大学を受験する場合、一般的にはその大学の独自の試験を受けて合否が判定される“一発勝負”です。
ただし、中には「センター利用」という受験システムを採用する大学もあり、センター試験の得点が加味される(大学によってはセンター試験の得点のみで合否が判定される)ことになります。
ただし、このセンター試験は2019年度をもって終了し、その後は「大学入学共通テスト」に代わることになります。
同時に、英語に関しては民間の語学検定試験(英検など)のスコアも合否判定に利用されるようになりますが、この扱いについては現在、大学ごとに対応が異なっており、受験生は状況を慎重に見極める必要がありそうです。
なお、2023年度までに英語の「共通テスト」は終了し、民間試験に一本化される予定ですが、これも現在、多くの反対意見が出されており、目を離せない状況になっています。
そんなわけで、「大学受験の英語」という場合、センター試験(のちに共通テスト)、各大学の独自試験、そして今後は民間の語学検定試験までもが含まれることになりますが、ここでは前二者を主たるターゲットとして話を進めたいと思います。
定期試験対策と何が違う?
試験勉強といえば、みなさんは、学校の中間・期末試験に向けた勉強をしてきましたね。
では、大学入試のための勉強は、定期試験のための勉強と何が違うのでしょうか?
まず、大学入試では「何が出るのかわからない」ということが言えますね。学校の中間・期末試験と違って「試験範囲」というものがありません。
たしかに大学入試でも「試験によく出る英文」というのは存在します。
しかし、入試本番で、読んだことがある英文に出合う確率は限りなくゼロに近いと考えてよいでしょう(この点が、古文・漢文とは大きく異なりますね)。
もし、みなさんが、学校の定期試験の直前に、教科書の英文の和訳を丸暗記したり、試験範囲の英単語を詰め込むような勉強をしているのなら(思い当たる人が多いはずです)、根本的に学習スタイルを変えなければならないことになります。
次に、学校の定期試験は「落とすための試験」ではないということが挙げられます。
定期試験の点数が悪いからといって、学年の半分以上の生徒が留年する、などという話は聞いたことがありませんよね。
ところが、大学入試は基本的に「落とすための試験」です。
大学によっては9割以上の受験生を不合格にします。
したがって、定期試験に比べ、英文のレベル、分量、要求されるスピードなどすべてがシビアになるだけでなく、「意地の悪い問題」「ひっかけ問題」というものが少なからず出題されます。
では、どのように対策すればよいのか。
これを言ってしまったら元も子もないかもしれませんが、「実力をつける」以外にありません。
一夜漬けとか、小手先のテクニックでは通用しないのです。
何から始めればいい?
さて、これから受験勉強を始めようというみなさんが、何から始めたらいいのか、考えてみましょう。
まず、ほとんどの受験生が受けることになるセンター試験(共通テスト)の問題を見てみましょう。
解く必要はありません。ざっと目を通すだけで充分です。
おそらく、量の多さに圧倒されるのではないでしょうか。
学校の英語の授業で、1、2か月かけて読むような量の英文が印刷されていますね。
それを80分で解く(読むだけではなく、設問に解答するのです!)ことが要求されているわけです。
ちなみに、センター試験の過去3年分の問題は、大学入試センターのHP上で公開されています。
次に、志望校が決まっている人は、その大学の過去問を見てみましょう。
決まっていない人も、なんとなく「いいな」と思っている大学の過去問を見てみましょう。
これも、現時点では購入する必要はありません。
パスナビや東進の過去問データベースなどを利用しましょう。
書店で立ち読みしてもいいですね。軽く目を通して、どんな問題が出るのか、自分が知らない単語がどのくらい(〇行に1個、など)出ているのか、チェックしてみましょう。
StudyFor編集部より
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こうして、みなさんが挑戦しようとしている「敵」の正体がわかったら、いよいよ作戦を立て始めます。
受験勉強のスケジュールと勉強法
受験までに残された時間がどのくらいあるのか、それによって当然ですが作戦も変わってきます。
ここでは、1年間の受験勉強という想定でスケジュールを考えてみます(それより短い場合は、その期間に応じて圧縮することになります)。
英単語・英熟語のスケジュールと勉強法
まず、語彙力をつけること。これが最後まで大きな課題になるでしょう。
語彙をつける学習には終わりがありません。私自身、20年以上受験英語を教えてきて、人より英単語を知っているつもりですが、それでも知らない単語にたびたび出合います。
語彙力をつける、つまり単語・熟語を覚える学習は、受験勉強の最初から最後までずっと続けなければなりません。
英単語・英熟語のスケジュールと勉強法について詳しく知りたい方は↓をご覧ください。
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【人気予備校講師が解説!】英単語・熟語の勉強法と覚え方
英文法のスケジュールと勉強法
次に、英文法の学習です。「文法」というと、四択の穴埋め問題とか、間違い探しの問題などをイメージするでしょう。
もちろん、そういった問題も重要ですが、いわゆる「文法問題」を解くために(のみ)文法を勉強するという発想は捨てなくてはなりません。
文法は英語学習の基本です。文法、すなわち英語という言語のルールにしたがって、英文を読んだり書いたりしなければ、正しい読み書きができないのです。
そして、入試で求められるのは、この「正しい読み書き」の力です。
なんとなく内容がわかった(ような気がする)、なんとなく意味が伝わりそうな英文が書けた(ような気がする)、というレベルでは、残念ながら難関大学に合格することはできないのです。
受験勉強の前半、おおまかに春から夏ぐらいまでは、文法力の強化に重点を置く必要があります。
特に、「文型・動詞」「時制」「態」「仮定法」「準動詞(不定詞・動名詞・分詞)」「接続詞」「関係詞」「比較」などの単元は、英文を読み書きするうえで非常に重要ですので、早い時期にマスターする必要があります。
英文法のスケジュールと勉強法について詳しく知りたい方は↓をご覧ください。
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【人気予備校講師が解説】英文法の勉強法とは?参考書より授業が大事な理由
英文解釈のスケジュールと勉強法
英文法と並行してやっておきたいのが「英文解釈」です。
いきなり入試レベルの長文を読む必要はないし、むしろマイナスになります。
受験勉強の前半では、1つ1つの英文を、細かい部分までごまかさずに正確に読む力、特に英文の「構造」を把握する力をつける必要があります。
英文解釈のスケジュールと勉強法について詳しく知りたい方は↓をご覧ください。
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【人気予備校講師が解説!】英文解釈の勉強法とおすすめ参考書
英語長文読解のスケジュールと勉強法
さて、受験勉強の後半、つまり夏休み以降(もちろん、学習の進み具合によって時期は多少異なります)、徐々に「長文読解」のトレーニングをする必要があります。
現在の大学入試では、国公立・私立ともに長文読解がメインとなります。
英語長文読解のスケジュールと勉強法について詳しく知りたい方は↓をご覧ください。
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【人気予備校講師が解説!】英語長文読解の勉強法とおすすめ問題集
英作文のスケジュールと勉強法
また、英文法の学習がひと通り完了した時点で、英作文の学習もスタートさせましょう(志望校で英作文が出題される場合)。
英作文のスケジュールと勉強法について詳しく知りたい方は↓をご覧ください。
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【人気予備校講師が解説!】英作文の勉強法とおすすめ参考書
リスニングのスケジュールと勉強法
リスニングの学習には2段階があります。
第1段階で「英語を聞き取る力」を身につけ、第2段階で「問題を解く力」を身につけます。
第1段階にかける時間は、現時点でどの程度リスニングが苦手or得意かによって異なりますが、できれば3~4か月はかけたいところ。
第2段階は1~2か月ほど。
万全な対策を立てようと思うなら、入試半年前からスタートしたいですね。
第1段階:8~11月
第2段階:12~入試本番
というのが理想的なプランです。
リスニングのスケジュールと勉強法について詳しく知りたい方は↓をご覧ください。
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【人気予備校講師が解説!】英語リスニングの勉強法と上達のコツ
過去問はいつやるか
そして、10月、遅くとも11月ごろには、志望校の過去問を解き始めたいところです。
「過去問は直前期にやればよいのではないか」という人もいますが、それは大きな間違いです。
直前期に過去問を解いて、全然できなかったらどうするのでしょうか。もう対策をする時間はありませんね。
過去問を解くことによって、その大学に合格するために、自分に欠けている力が何かわかります。
それを日々の勉強にフィードバックさせていく。さらにまた過去問をやると、新たな弱点が判明する。そこで、日々の学習でその部分を強化する。また過去問をやって...
こうして、少しずつ、自分と志望校との距離を縮めていく。これが試験に合格するもっとも確実な方法なのです(英語に、もっといえば大学入試に限ったことではありませんが)。